放射能の除染方法

■被ばくしたときの除染方法

福島県で生活している限り、屋外にでれば多かれ少なかれ被ばくすることになります。

2011年6月現在の郡山市の空間放射線量は1マイクロシーベルト/時前後ですので、通常生活している上では過度に心配する必要はありませんが、場所によっては放射線量が高いホットスポットが存在します。

次のような場合には簡単な除染をすることをおすすめします。

  • 放射線量の高い地域の屋外で長時間過ごした
  • 放射線量の高い地域で雨にぬれた
  • 放射性物質が含まれる土や砂ぼこりを浴びた
  • お子様が校庭や公園などで遊んできた

以下のような方法で除染を行うことで、被ばくの程度を抑えるとともに、屋内への放射性物質の拡散を防ぎ、より深刻な被害が懸念される内部被ばくを防ぐことができます。

1. 玄関前で、洋服、靴に付着している放射性物質を落とします。
ウエットティッシュや濡れタオルなどで、服や靴の表面についた汚れをふき取ります。屋外に水道があれば靴の裏を良く洗ってください。
ウィンドブレーカーのようなナイロン素材の服は放射性物質が落ちやすいため、おすすめです。
拭いた後のウエットティッシュや濡れタオルはビニール袋に入れて廃棄してください。
重要なのは、家の中に放射性物質を持ち込まないことです。
2. 玄関で洋服や靴を脱いでビニール袋に入れます。
ビニール袋に入れる際には、服の裏側に放射性物質が付着しないように折りたたむとよいでしょう。
高濃度に汚染された衣服は廃棄することが望ましいですが、郡山市内で受けた被ばくであれば過度に心配する必要はありません。
ビニールに入れた服や靴は、そっと取り出して洗濯してください。
厚手の上着や靴など、毎回洗うのが大変な場合は、外出時にビニール袋からそっと取り出して着てください。
重要なのは、家の中で放射性物質を拡散させないことです。
3. 手洗い、うがいをします。
手は石鹸を付けて、指の間や爪の中までしっかりと洗ってください。
日頃から爪は短く切っておくとよいでしょう。
重要なのは、放射性物質を体内に取り込んでしまう「内部被ばく」を抑えることです。
4. シャワーを浴びます。
髪をシャンプーで洗ってください。
顔も石鹸・ボディーソープで洗ってください。
耳や鼻の中も忘れずに洗ってください。
付着した放射性物質をしっかりと洗い流します。

■屋内の放射性物質の除染方法

郡山市内の住宅内の放射線量は0.1~1.0マイクロシーベルト/時程度ですが、これらの数値の多くは屋外の放射性物質からの放射線が影響しています。

特に木造住宅では外からの放射線を防ぐことは難しく、1階よりも2階、床面よりも天井面、家の中心よりも窓際や壁際の方が放射線量が高い傾向があります。

部屋内に入り込んだ放射性物質からの放射線量よりも、外からの放射線量の方が高いため、屋内の除染作業を行っても、なかなか大きな数値の変化は起こらないかもしれません。

しかしながら、屋内の除染作業を行うことで、放射性物質を体内に取り込む「内部被ばく」から身を守ることができます。

以下の除染方法を参考に屋内の放射性物質を取り除いてください。

1. 床面のホコリを取り除きます。
起床時や帰宅時など、ホコリと一緒に放射性物質が床面に落ちているときに掃除するのが効果的です。
なるべくホコリが舞い上がらないように注意します。
排気なしの掃除機をお持ちであれば掃除機を使用してください。排気がある掃除機の場合は、ホコリと一緒に放射性物質を巻き上げる可能性がありますので使用しないでください。
フローリングや畳であれば、クイックルワイパーなどを使うと便利です。
カーペットの場合は、粘着テープ式のローラーを使うとよいでしょう。
2.床面を拭き掃除します。

拭き掃除には通常の雑巾よりも、マイクロファイバークロスをおすすめします。
マイクロファイバークロスを水で濡らしてゆるく絞り、床面に付着した放射性物質をしっかり落とすように拭いていきます。
乾かないうちに別のマイクロファイバークロスで拭き上げるとさらに効果的です。
掃除する際はビニール手袋をする方がよいでしょう。
1度除染に使用したマイクロファイバークロスは破棄した方がよいでしょう。

※マイクロファイバークロスは、ホームセンターや100円ショップできます。掃除コーナーまたは洗車コーナーにあります。
広い場所を除染する場合は、事前にCOSTCO(コストコ)のマイクロファイバークロス「Ultra-Soft MicroFiber Auto Cloths」を購入しておくと経済的です。36枚入りが1500円程度で購入できます。サイズも大きめでとてもオススメです。

3. 壁面や家具などの拭き掃除をします。
壁面や家具も、床面と同様にマイクロファイバークロスで拭き上げます。

■放射能についての疑問・回答

放射能に関するお問い合わせとその回答をご紹介いたします。

窓を開けて空気の入れ替えをすると放射線量が高くなるでしょうか?
窓を開けて換気すれば放射線量は微量ながら増える可能性があります。しかし、短い時間であれば過度に心配する必要はありません。
福島原発事故から数カ月が過ぎた現在では、地表面に放射性物質がたまっています。
窓を開けるのであれば、1階よりも地表面からの放射性物質が入り込みにくい2階の方がよいでしょう。
土ぼこりや砂ぼこりが吹き込まない、風下や内側に面した窓を開けてください。
マンションではあらかじめベランダの除染を行ってから換気するとより安心です。
晴れて乾燥している日よりも、放射性物質が飛散しにくい雨の日に窓を開ける方が安全です。
キッチンや浴室の換気扇を回してはいけませんか?
換気扇は回さない方がよいでしょう。回す場合は短時間にしてください。
換気扇の代わりに空気清浄機、エアコン、除湿器、加湿器を使用してください。
換気扇フィルターや空気取り込み口に花粉除去シートを貼ることで、屋内に侵入する放射性物質を減少させることができると考えられます。
24時間換気システムは動かさない方がよいですか?
24時間換気を行うと屋外の放射性物質を屋内に取り込む恐れがあります。
雨の降っている日は比較的空間線量が低いため、動作させるのであれば雨の日がよいでしょう。
通気口に花粉を除去することができるフィルターを付けると屋内に侵入する放射性物質を減少させることができると考えられます。
エアコンやクーラーは大丈夫でしょうか?
通常のエアコンやクーラーは内気を循環しているだけなので、問題ありません。
「換気機能付き」のエアコンの場合は、換気モードをOFFにして運転してください。
内気循環方式のエアコンの場合も気圧変化により、隙間などから多少の外気が入り込む可能性はあります。
空気清浄機は有効ですか?
空気清浄機は放射能を帯びたチリやホコリを集じんすることが出来るため、ある一定の効果があると考えられます。
ただし、放射性物質が付着したフィルターから発する放射線を抑制する効果はないためフィルターをこまめに取り換えることが重要です。